海洋緑化
先日、房総半島のソルティーズさんに遊びに寄らせていただいた際に偶然にも海洋ジャーナリストの内田正洋さんのお話を伺う機会がありました。
内田さんはオーシャングリーンアソシエーションという社団法人を立ち上げられ沿岸部の海洋緑化運動に奔走しておられるようです。
その海洋緑化とは何ぞや?と申しますと、沿岸部の藻場の再生のことを指します。近年日本をはじめアジア沿岸部の藻場(海草)が著しく減少し、魚の産卵場所でもある藻場がなくなることによって沿岸部の漁業資源も低下しているという現状を打開するための運動です。
そして今海洋緑化で注目されているのが鉄鋼スラグというものです。
近年の研究で鉄分が藻の生息条件に重要な役割を果たすことが明らかになりました。その鉄分というのは自然界では山の腐葉土なんかに含まれるそうです。詳しくはこちらを
屋久島でも沿岸部の藻が無くなったという話を聞きます。私はトビウオ船に何年間か乗っていましたが昔のトビウオ漁というと沿岸部の藻に産卵しに来るジキトビウオという種類のトビウオを獲るのがトビウオの最盛期だったそうです。その時期になると一家総出で学校も休みになって漁をしたそうです。
ところが今では藻が無くなりそんな風景も過去のものとして民俗資料館で語り継がれるのみとなっています。
もしその鉄鋼スラグで屋久島の藻場が再生するなら、たとえ対処療法だとしてもやってみる価値があるんじゃないかと思います。山と海は川というバイパスで密接に繋がっており、もし戦後復興の大規模な山の伐採が原因ならば現在の保全活動により鉄鋼スラグという引き金を引くことによって屋久島の藻場が再生する可能性もあるんじゃないかと思いました。
参考リンク:藻場再生プロジェクト