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新年のご挨拶

新年、明けましておめでとうございます

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ニヌハ3

と前回のブログ更新から丸一年経っております。果たして年一で新年のご挨拶にしか使わないブログなんぞに意味はあるのかと自問しましたが、継続は力なりという言葉が頭に浮かび、またこうして更新ができました。ありがとうございます!

 

世間は大きく様変わりした一年になりましたね。私自身もコロナ禍の中、家で過ごす時間が増え、急な暇に対応できずにただ茫然と世間の様子をインターネットを介し諦観する時間が刻々と流れ、それでも四季は移ろい、夏には少しずつ仕事も入りだして、秋にはgo to 効果で賑わいを取り戻しますが、12月末には再び1都3県が再び国に緊急事態宣言を要請、と先行きの見えない状態に逆戻りとなってしまいました。

 

医療従事者の方に感謝、応援しつつ、自分は自分の為すべきことを粛々とこなそうと思います。

読者の皆さま方も波乱に満ちた一年となりそうですが、変化に柔軟に対応しながら家族の健康安全を考え、このコロナ禍をともに乗り越えましょう!

 

sprout 新村

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新年のご挨拶


https://www.instagram.com/p/BsEtwI1HfFh/

新年明けましておめでとうございます! 今年も皆様と森山海でお会い出来る日を楽しみにしています!A Happy new year ! I’m looking forward to meet you at any field!

 

旧年中はたくさんのご愛顧を賜りありがとうございます。今年も前を向いて己の道を一歩ずつ歩んでいく所存であります。

先日3日に仕事始めのご縁を頂き、冬の縄文杉に会いに行ってまいりました。

 

冬型の気圧配置になると北西風の影響で荒れることが多い屋久島の山なのですが森林帯域ではその影響も受けにくく道路が通行止めにならない限りは冬でもツアーを受け付けております。詳しくはメールにてお問い合わせください。

 

その日も標高1000m付近から上は年末の寒波の影響でうっすらと雪が地表を覆って白と緑のコントラストが美しい雪の森でした。

この時期の素晴らしいところは人が少ないところ!シーズン中は1日200~300人の登山客に対しその日は20~30人およそ10分の1になります。

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冷たい水蒸気の中に佇む縄文杉

 

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屋久島中央稜線を望む

午後からは雨雲も去り天気も快晴に途中の道脇からも宮之浦岳の姿が確認できました。 

 

ということで皆様本年もsproutをよろしくお願いいたします。

 

新村

奄美加計呂麻シーカヤックツアー

 

4月のサバニ塾でグランストリーム大瀬さんにツアーサポートのお話を頂き、奄美大島に行ってきました。

奄美群島は同じ鹿児島県といえど屋久島から250キロほど離れており海で見ると吐噶喇列島を越えた先にある島になります。

 

私的には今までご縁がなく今回の訪問が初めての奄美になります。初めての場所というのはすべてが新鮮でとても楽しく思い出深い旅になりました。

 

目的地が決まれば次に決めるのは行く時期です。特にシーカヤッキングの場合は天候に左右されやすいのでなるべく天候の安定した時期を選ぶ必要があり、梅雨明けの太平洋高気圧が張りだしてくる7月上旬に例年のグランストリーム奄美加計呂麻ツアーは開催されます。今年は関西のカヤックチーム「alpakayak(アルパカヤック)」さんとのツアーでした。

 

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大瀬志郎が主宰するグランストリームは琵琶湖海津をベースにフェザークラフトカヤックを中心としたカヤックの旅を提案しています

 

そして最高な時期をチョイスしての奄美加計呂麻のシーカヤッキングツアーだったのですが残念ながら台風7号が台湾の南という日本の近海で突然発生しそのまま北上してくるという予想進路が発覚したのがツアー前日、台風7号の影響からは免れることは不可能なタフコンディション。そんな状況の中からのスタートでした。

 

朝起きるとネットの天気図と睨みあう生活でコンディションの変化を確認しつつも本来漕ぐ予定であった時間を停滞という形で過ごす前半戦でした。

 

停滞は漁師感覚でいうところの時化休み、シーカヤッキングとは表裏一体で停滞をいかに過ごすかで旅の良し悪しが変わっていくほどの重要な時間といえます。朝から酒をかっくらうも自由、筋トレに励むも自由、散歩に出かけるも自由と目の前に突然自由時間を突き付けられます。現代における最高の贅沢の一つですね。

 

でもまあ大抵は天気が荒れているのを理由に対してやることもなく怠惰に過ごしてしまいますがそれもまた楽し。

 

がしかしそんな贅沢な時間も身の安全が確保された空間があればこそ。台風が近づくとアルパカヤックの面々はレンタカーで名瀬、古仁屋の宿に避難。お客様を送り出すと大瀬、タカノリ、俺の3人は各々風力や風向きを計算しつつ陰になるような場所でテントを張り最後の晩餐をやどり浜の名店イソシギで食べているとオーナーのサチヨママが「あんたたちお店で寝てもいいわよ」という有り難いご慈悲を賜りまして無事スタッフ3人の安全が確保されました。

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 目の前の海を見ながらの天候判断。緊張の面持ちの面々

今回はサブガイドに沖縄から沖縄カヤックセンター仲村尚徳が加わり総勢11名の大所帯となりツアーが催行されました。

 

そしてついに停滞4日目にして早朝からカヤックを漕ぎ出し、小雨降る大島海峡を彷徨います。台風は過ぎたのですが依然として風速16メートル程の南風が前線に向かって吹き続け西日本各地で未曽有の水害をもたらした風です。天気図を見る限り等圧線も大きく風を吹かせる要素が見当たらなかったのですが沖縄の仲村さんに電話で確認するとインド洋の湿り気を帯びた熱帯の風がヒマラヤから東アジア全体に流れ込みそれが台風後の変化した前線に吹き込んでいるとの見解が得られました。しばらく吹き続きそうな気配だったので外洋には出ずに内海の中でのツアーになりました。

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上げ潮に乗り、やどり浜から順調に古仁屋を越えて西側に漕ぎ進め芝浦崎を越えて実久集落に入ると今回のツアー初めての太陽が顔を覗かせ実久のきれいなビーチに一同上陸し南国の透き通るような淡いブルーの海を堪能できました。(写真1枚目)

翌日は再び暴風で実久にて停滞、幸いにも雨は降らなかったのでアルパカの皆さんはバスで加計呂麻散策に出かけて私たちは明日からの天気予報を加味しフネを畳むことにしました。

 

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5mを越える大きなカヤックも畳んでしまえばバック一つにまとまるのもフォールディングカヤックの魅力の一つと言えます。背後に見える立派なバス停に2日間ビバークさせて頂きました。

 

 

結局カヤックを漕げたのは1日のみという短い時間でしたが停滞を含め現地の海ととことん向き合うことができるのがこうしたカヤックツアーの醍醐味なのだなぁと改めて感じることができました。

 

最後に今回の旅でお世話になりました、やどり浜イソシギのサチヨさん幸久さん、ocean glass の熊崎さん、加計呂麻ガイドのユキオさん、古仁屋のパドル職人、松葉さん 本当にありがとうございました。

ぜひ、いつの日かまた訪れたい場所の一つになりました。

 

youtu.be

 

ニーム

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Stove Life | 薪暮らし

師走に入り、いくつかの寒波が通り過ぎ気づけば冬。太陽から地球がほんの少しばかり遠のき、体温も低下して生命活動が低活性期に入ります。むろん人間も同じで島内の観光業は一段落し、ガイド業は概ねシーズンオフ期に入ります。

 

職にあぶれた私は家族を冬の寒さから守るために木質バイオマス(薪)を探しに出かけます。幸いにも道路わきには今年の夏の台風で倒れたであろう倒木があちらこちらに転がってます。

ここで重要なのは木の種類と状態。暖を取るのに適した木は繊維が密で程よく油を含みよく乾いているものが望ましいです。

https://www.instagram.com/p/BcJnJHMHPfS/

Winter started , shanti sitting to the light position . #stove #dog

薪暮らしに必要な道具の一つにトングというのがあります。炉にくべた薪や炭を動かすときに使用します。火ばさみとも言って同音の苗字「樋廻」さん、なんて方もいらっしゃることから昔から生活になじみある道具の一つだったんでしょうね。

 

先日秋のサバニ塾で来沖した折に仲村さんから素敵な火ばさみを頂きました。

その名も「キングトング

 

テンマクデザイン KING Tongs

その独特の形状は仲村さんが長年シーカヤックガイドととして培ってきた知恵の結晶です。細かい枝から直径10センチ程度の太めの薪までしっかりと挟むことができ、ステンレス製で耐久性にも優れ100円ショップで売られているトング×10回分のコストバリューはあります。

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家の中に侵入し、夜中に突然シャンシャン鳴き始めるタイワンクツワムシもホラこの通りに傷つけず優しく森の中に返すことができます。

 

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薪暮らしや焚火やキャンプのお供に、おひとついかがでしょうか?

 

テンマクデザイン KING Tongs

テンマクデザイン KING Tongs

 

 

 

琉球サバニ塾 秋のミーニシ編

今年の夏は舞い込んでくる仕事をただひたすらにこなし気づけば夏も終わり、嵐の度に吹く北風の冷たさが涼から寒に代わる季節  になっていました。連日屋久島にも秋晴れの北風に乗って佐多岬の方からサシバの渡りが観察できます。

 

サシバを見てうずいてくるのは旅心、この風を沖縄ではミーニシと呼び黒潮に乗って北上していた糸満漁師たちはこのミーニシを捕まえて我が家待つ沖縄に戻って行ったと言われています。

 

ということで秋の琉球サバニ塾ではこのミーニシを捕まえて実際に操船して技術を高めるという目的で開かれる予定でしたが、台風22号が発生( ;´Д`)

天気図

 

合宿期間中日に宮城島上空を通過というアクシデントに見舞われてしまい、肝心のサバニには乗れず終いでしたがそれでも集まった塾生で今後の展望や舵取りや漕ぎの座学など内容の濃い3日間になりました。

 

糸満の海人工房さんで展示中のサバニ

台風前の強風にも負けず新しいパドルの感触を全身で確かめる塾生

台風の目に入り晴れ間のうちに漕ぎ稽古

皆さん合宿所軟禁状態の濃密な3日間お疲れさまでした!

 

 

 

 

 

 

第2期琉球サバニ塾

 

水に触れると気分が少し高揚する感覚がはっきりと自覚できたのはもう大人になってからのことだが、それまでも水遊びは好きで小学生のころ通っていた近所のスイミングスクールも飽きっぽい性格の私にしては根気よく続いたものだと今にして思う。

 

そんな原体験が齢40になり成熟した形となったのが先日参加した

琉球サバニ塾」です。是非大きな画面でご覧ください。


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琉球サバニとは沖縄に古くから伝わる伝統的な小舟で帆や櫂(エーク)を使い、日常の移動手段としても使われていたぐらいの乗り物なのですが動力船の普及によって戦後にほぼ失われてしまいました、現在サバニの持つ航海ポテンシャル、エコロジカルな製造方法等によって近年再び注目を浴びはじめています。

 

ですがこのサバニすぐに誰でも乗りこなせるという代物ではなくて、動画の00’40”あたりでグラッと大きく船が傾くのですが静止した状態でのバランスは悪く乗り手はカヤックでいうヒップスナップや乗り位置でバランスを取っていきます。

 

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役割は漕ぎ手と舵取りに分かれます。漕ぎ手に必要とされるのは息の合ったパドリングとその持続性です。舵取りは潮や風を読んで舵を握るキャプテンになります。

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古くは糸満漁師の足として北は隠岐の島、南はフィリピンの方までの航海を可能にしたという日本のオリジナルのカヌー文化がそこにあります。

 

今回参加した琉球サバニ塾。2004年あたりに沖縄カヤックセンターの仲村忠明さんの手によって創設され私が今回参加した第2期では滋賀の大瀬志郎さん、岐阜の近藤さん、浜松の鈴木克章さん、という錚々たるメンバーでお互いいい刺激受けながら3日間の充実の合宿を過ごすことができました。まだまだ塾生の参加を募集していますので日本のパドラー、ウォーターマン(女性でも)の方の参加をお待ちしてます。

興味を持たれた方は 

・沖縄カヤックセンター TEL 090-1940-8963 mail info@qajaqcentre.com

 ・グランストリーム     TEL 090-9371-3625 mail ose@granstream.jp

 までお問い合わせください。

SPROUT 新村

 

屋久島に暮らす友人たちへ

私の今回最も注目した点は材料は杉であること、つまりの私の暮らす屋久島島内での資源の供給が可能なところです。身近なものを組み合わせブリコラージュしながら現代を生き抜く、レヴィストロースのいう「野生の思考」の視点を体現し、化石燃料に依存しないクリーンでクールな移動手段を共に手に入れましょう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1:上写真は今回使用したニヌハ3号 伊江島の外洋航海型のサバニです

新年のご挨拶 / 自転車再考

新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。と下手すると1年ぶりくらいの投稿になりそうです。

年々減少気味の投稿ですがこれからも低空飛行でやっていきたいと思います。

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自転車再考

 

先日久しぶりに帰郷した折に、実家の駐輪場に使われていないクロスバイクを発見し、持ち主の兄に聞くと「故障しているのだけど自転車屋さんに持てって直すと新車が買えてしまう位の高額になる。」ので仕方なしに置いてあるので使うなら持って行ってもいいよ。

ということだったので試しに乗ってみると、後輪がカタカタと動いて危ない感じだったのでリムの歪みとハブの軸歪み、タイヤの摩耗などもろもろの整備が必要だったけど、車以外の移動手段を考えたときにco2フリーな乗り物で貧乏人の私でも持てるものといったら自転車なわけで、近所の用事に積極的に使うことでガソリン代も抑えられエコロジカルな気分に浸れる。

 

ということでなんとか自分で直せそうな目処が付きそうだったのと飛行機で運べそうだったのでそのまま輪行を施し帰りに一緒に持って帰って年末年始の空いた時間を自転車の整備に費やして何とか安全に乗れるレベルまで直してみました。

 

|立ちはだかる壁

後輪を全取り替えして、サドルも替えて乗れるようになり近所の試走も済み、初めてのお使いで事件は起こりました。

妻に頼まれたものを自転車に乗って買いに行くという中学生以来のミッションを達成すべく、近所のドラモリまで坂道を下り買い物を済ませ、上り坂の急な所でギアをlowに入れるとがらっと何かがチェーンに引っかかって走行不能になってしまいました。見るとリアディレイラーがチェーンに引っかかってありえない向きにホールドしています。

 

とりあえず車で迎えに来てもらって、家に帰って検証してみるとリアディレイラーの巻き込みという恐ろしい事故でした。

 

原因はどうやらディレイハンガーが内側に曲がっていたようでもっともチェーンに近い低速の8段目に入れたときにスポークと接触し挟まってロックしてしまったみたいです

 

破損したリアディレイラーとチェーンは適合したものを見つけて手に入れるとして曲がってしまったフレーム一体型のディレイハンガーは20ミリのモンキーレンチで力づくで真っ直ぐに。するとねじ山が部分的破断されていて新しいリアディレイラーが入っていかないので、ねじ山を再生させるために逆側からリアディレイラーをねじ込んで、そっとまた抜いて正方向から再びねじ込むと何とかm10*1.0ピッチが噛み合ってくれました。

 

つづく