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サバニトリップ

サバニというのは沖縄に古くから伝わるフネの名称で前後のそりあがったキールやそのほかの特徴的な構造から日本に現存するオリジナルのカヌーです。

近年、サバニ文化を残す運動が盛んになり、毎年6月のカーチベー(初夏の南風)吹くシーズンになると座間味ー沖縄間で帆かけサバニレースが行われています。

 

また歴史的に紐解くと、ポリネシア起源のカヌーは人類拡散の道具として乗り物としては最古のものであり、古くは縄文人が乗り、環太平洋を回り、果てはチリにまで達したといわれています。

今では、そんな小舟で長距離航海していたということはにわかに信じられないことですが古代の人たちの航海技術の高さを伺えます。

 

最近ではハワイアンのナイノア・トンプソン氏を代表するホクレア・クルーにより羅針盤を使用しない古代航海技術によるスターナビゲーションでの航海が行われ、5年ほど前日本にもホクレア号が姿を見せました。

 

そこで、今回は帆かけサバニで沖縄ー宮崎間の航海を海想クルーが行っています。

 

江戸時代以前には黒潮流域にかけて海上交通が盛んに行われており、その主たるフネがサバニであったといわれています。隣の種子島民俗資料館内にも昭和の終わりごろまで使われていたとされる刳り舟が現存されており、その爪痕を確認できます。

 

今回の海想クルーによるサバニトリップは日本のカヌー史に置いてエポック的な航海となることでしょう。

 

そんな海想クルーの乗るサバニがついにトカラ海域に突入し、宝島まできました。トカラ海域は黒潮の影響をダイレクトに受ける海なので荒れやすく難しい海なのですが私としては是非今回のチャレンジが無事成功することを願わずには居られません。

 

サバニトリップ2011

トラッキング(衛星により現在位置がWeb上で確認できます)