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Big Mother : sporningseason of seaturtle \ アカウミガメの産卵

 

空がうっすらと明るくなる頃、眠い目をこすりながら海に向かうという行為は自分にとってある意味神聖な行為であり、とても大事な時間。

 

と振り返っては思うものの内心は早く海を見たいのと一体どんな波が来ているのかの期待でいっぱいだ。

 

今朝も種子島から上る朝日を右手に受けながら近くのビーチを歩いていると遠くの方で見慣れない大きな岩がモソッと動いたような気がしたので注意深く観察すると、ウミガメが産卵のために上陸しているところでした。

 

屋久島の浜には毎年たくさんのアカウミガメが産卵のために訪れます。

永田いなか浜の年間産卵上陸回数が2015年度で約4000回、複数回産卵するとしても少なくとも2000頭以上のアカウミガメが産卵に訪れています。

産卵は通常、カラスや猛禽類などの危険から夜間に行われますが潮回りが大潮から中潮にかけては満潮が早朝/夕方にずれ込むため明るい場所で稀にみることができます

 

 

 

今日出会ったこのアカウミガメは体格も大きく甲羅の厚みもあってベテラン母さんでした。

しかし今年の田代浜は砂の付きが悪く10センチも掘れば石に当たってしまうために本当に大変そうでした。

 

ひと掻きひと掻きゆっくりと砂を掘る様子を観察していると、この営みは一体いつのころから続いているのかと考え始めたら、軽く1万年ほど彼方に意識がすっ飛びまして、もしや此処は?と辺りを見回すと人工物が一切見当たらず、愕然として目の前で相変わらずゆっくりとした動作で砂を掻いているウミガメを見ている自分が縄文人と重なり、不思議な感覚でただボーっとウミガメを見ていたら沖に安房の漁船が走るのが見えて、フッと感覚が戻り、我に返りました。

 

この感覚は初めてではなく、アラスカの原野でハイイイログマと対峙したときにも同じような感じに、沖縄の海でカヤックに乗り沖でクジラを見たときも。

 

この感じ

 

私が自然が好きな理由はどうもそんなところにある気がします。