続々・種子島
鉄砲伝来館の続き、
さらに展示物を見て回ると、新潟は糸魚川河口域でとれたヒスイの石笛がありました。島民の方が代々家宝に持っていたものだそうです。
石笛という楽器はおそらく石器時代における日本最古の楽器で、祭礼などに使用していたと説明されています。
大昔に糸魚川からはるか南の種子島までいったいどんな経緯で持ち込まれたのでしょうか?考古学ミステリー心を揺さぶります。
鉄砲伝来館を後にして向かった先がこの島の伝統工芸品の種子包丁・鋏を手に入れるべく観光案内所で頂いた地図を頼りに西之表市街地を探しまわりました。
種子島は古くから砂鉄が採れることで有名で包丁、鋏そして鉄砲など製鉄技術が古より脈々と受け継がれてきました。
映画「もののけ姫」でも描かれていたとおり、たたら場と呼ばれていた鍛冶屋というのは日本の稲作文化の発展には欠かせない要素の一つでした。
そんななか偶然にも見つけた工房がここ、石川種子鋏製作所さんです。
市街地の民家の軒先にひっそりとたたずむ店構えは見逃してしまいそうですが、石川さんの工房では今では珍しく手作りで鋏や包丁を作っています。
お爺さんとお婆さんのお二人で営んでおられるのですが、お爺さんの腰の具合が悪く、今では4日に10本程度作るのが限界だということでした、
加えて現在では機械化が進み、手作りの工房は全部で2件しかなくどちらも後継者がなく私らの代で最後かもしれないと話してました。
作業場を見学させていただきました。
石川さん宅の玄関でものを見て買えます。
細かい作業に最適な刃先が短めのものを購入しました。
その場で試し切りもさせてもらえて、切れ味は抜群です。
機械製品にはない手作りさゆえの美しい歪み、刃先が鈍ればまたばらして研いで頂けるそうです。
お値段は品物や出来具合によっておかみさんがその場で付けてくれる、いわゆる時価でしたがこのはさみは1500円という実用的なお値段でした。
さらに、包丁を購入すると、おまけで鋏をもう一本付けてくれました。
後継者を見付けようにもお給料が払えないので今時分は難しく、行政側も何もしてくれないそうです。
こうした伝統が途絶えるのは何だかとても悲しいですね。