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ながし蟲

毎年、梅雨時期の晴れ間の夕刻、7時から9時くらいにかけて屋久島では「ながし蟲」と呼ばれる白アリの群飛という現象が見られます。

 

群飛というのは、1群/約数百万 単位の白アリがワッサーと一斉に飛び立つわけです。

 

ではなぜ飛び立つのでしょうか?

 

答えは、「繁殖」のためです。生物の生まれながらにしてdnaにガッチリ組み込まれている、皆さんご存知のアレです。

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巣穴を飛び出し一斉に旅立ってゆく姿は、屋久島を卒業する屋久高生のようだなーなんて感慨に耽ってばかりではいられません。なにしろ白アリは何かと私たちの生活を脅かすからです。

白アリの大好物は木です。当然家も原材料は木です。

 

そして時間帯が夜なので昆虫の習性である光源に引き寄せられるのですが、周りが森の中の我が家は、まずながし虫が出ると家中の電気を消し窓を閉めます。ですがそのうちに数百匹のながし虫が家に侵入してくるのです。ちょっとした昆虫パニック障害を持った女性なんかは間違いなくバグズライフ一直線ぐらいのインパクトです。なにしろ暗闇の家の中で無数の白アリが家中を這いまわり飛び回り、服の中にも侵入してくるのです。

 

つまり白アリ末期症状のお家なのかなーというすぐにも忘れ去りたい不安感が頭をよぎります。

 

そんな中、車に逃れた我が家族は行くあてのないドライブに旅立ちます。

 

一段落するころ合いを見計らって家に帰ると、わんさかエイリアンが蠢いているので掃除機で吸い取ります。家を白アリから救うためコイツラをすべからく撲滅させます。

風呂場をのぞくと、羽を落とした白アリたちが無数の小さい黒アリに襲われ、さらにそこに大きなムカデが陰陽のアリたちを捕食するあたりはまさに壮絶な昆虫絵図でした。

羽を落としたアリは家の中に生息する、アシダカクモ、アリ、ヤモリ、ムカデ、なんかの格好の餌食となります。

 

疲れ果て寝た夜は布団の中にも侵入してきます。幸い噛んだり、刺したりもしないので最終的に気にならずに寝つけました。

 

しかし年々増えていく侵入者たちにそろそろ対策を講じるときというか、手遅れというか、でもやらないよりは、葛藤の狭間にいます。

 

 □シロアリ