冷たい虹
朝、布団の温もりへの執着が頂点に達するころ、窓辺に射す陽光をきっかけにエイッヤと飛び起きるとサブイボが立たないうちに慣れない重ね着をして犬の散歩に出かけた。
空を見上げると雲が相変わらずの勢いでの南東に動いている。そのまま視線を山のほうに向けるとオトスの滝が糸から5ミリロープくらいに太くなっている。さらに脇の森からりっぱな虹が天に向かって伸びている。
まるでハワイの写真でも見ている光景だった。
ここ数日、虹がよく出現する。
寒気を伴った低気圧がシベリアから日本近くに降りてくるとそれが寒波となり日本列島の日本海側の山々に大雪をもたらす。
屋久島も同様に冷たい北西風が吹きつけ山に当り雲が溜まり、山には雪を里には冷たい雨や雹、時には雪をもたらす。しかし島の南側は雲の切れ目からぽっかりと太陽が顔を出し風も穏やかだ。
虹は東西の雲の切れ目から姿をよく見せる。
私の住む島の東側に位置する長峰という地区は山から回り込んだ北西風がよく通り、こんな時は激しい嵐の中にたまに雲の切れ目から太陽がのぞく、そんなとき必ずどこかで虹が出現する。太陽光線を帯びた雨粒がクリスタルの役目を果たし光の色が放射され、虹となる。
様な気がする。